高校ダンス部、そのダンスの大会作品を何もないところから文字通りいちから作り上げることはかなりの労力と知恵とアイデアと擦り合わせと話し合いと押し問答と自問自答を要することになる。

大会で多くのチームと競い合い、その中で例えば200校を越えるエントリーの中で何らかの足跡を残そうと考えるならば、その歩みは簡単ではない。

毎年毎回、そしてやはり今回も抜け出ることができるのかさえ分からないトンネルの中、暗闇を手探りで進む。

この方向でよいのか、今どこにいるのか。出口はあるのか。

この曲でよいのか。この振りでよいのか。この構成でよいのか。このメンバーでよいのか。この衣装でよいのか。このダンスで勝てるのか。

不安と格闘しながら光を求めて彷徨う。

雨に打たれ、横風を受け、迷う。

何度も行き止まり、引き返し、また少しだけ進み、また戻り、さらに前へ。

勇気をもってその一歩を踏み出すしかないな。